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書籍のご紹介

みなさま、こんにちは。篠原紙工です。
篠原紙工が書籍販売を始めたことと、そこで販売される新しい本2冊のご紹介です。

篠原紙工はお客様とチームになりお互いの想いを共有しながら本やプロダクトを生み出し、そこで生まれる物語を大切にしています。
ありがたいことに、これまで数々の作品を一緒に制作させて頂いてきたのですが、私たちの仕事はあくまでも物をつくるところまでで、完成し販売することにおいてはほとんど関与していませんでした。本をつくることで一番大事なことは著者の想いや表現を最後の読み手に届けること、製本はその手段でしかありません。そのことを今よりもより強く心に留めれば、私たち自身の意識も変わり、製本の提案方法も変わるかもしれない、と思いました。ユニークな形、特殊な加工を使った方が物としての価値は上がるかもしれませんが、一番の目的は本が世の中に広く行き渡り想いが届くことです。制作内容と予算と人の想いのバランスを巧妙に整えることも私たちの仕事であると考えています。私たちが手がけた書籍全てを販売できるわけではありませんが、少しずつ、篠原紙工からもご紹介していこうと思っております。

今回ご紹介したい本の1冊目は
フォトグラファー/ライターの忠地七緒(ただちなお)さんが企画・写真・文・編集をすべて手がけた雑誌『あわい』。(https://naotadachi.com/
とても篠原紙工と感覚が近いな...という印象がありました。「人とのつながりを大事にしながら本を作りたい。」想いを共有できる印刷・製本会社を探していらっしゃる際に私たちとの出会いがありました。どんなことにも真摯に向き合ってくださる素敵な方で、打ち合わせを重ねるごとに互いの想いを共有することができ、彼女との出会いがきっかけで篠原紙工では書籍販売をすることを決めました。
「あわい」は忠地さんが「主観に振り切った紙媒体をつくりたい」と思い立ってスタートした本。自分が自分自身であることがどんなに美しく、強く、自然で、これからの時代に必要なのかを考えさせてくれる本です。読み終えると自分が感じていること、考えていること、内に秘めていることを表に出す勇気が湧いてくるような気持ちになります。篠原紙工での販売は書籍と忠地さんが撮り下ろした写真フレームとのセットになっています。


2冊目は「芝木好子小説集 新しい日々」
文学コンシェルジュ北田博充さんが主催するひとり出版社「書肆汽水域」より芥川賞作家・芝木好子さんの没後30年を記念して復刊された「芝木好子小説集 新しい日々」
造本は篠原紙工のメンバーでもある新島龍彦。彼はデザインを手がけ、「通常版」に加えて「特装版」の制作を提案しました。
通常版は芝木好子さんが書かれた短編小説の中から花が登場する物語8篇を選び、まとめられた小説集です。表紙には4種類の写真を使用した装丁デザインがあり、各表紙の妖艶な花は写真家の馬場磨貴さんの撮影によるもの。
そして、特装版は通常版に収録された8つの作品に加え、染色家を主人公とした短編「染色」を収録しています。表紙には草木染めの織物を使用し、新島龍彦が1冊づつ丁寧に手で制作し、箱に収められた形が完成品の本となっています。
使われている草木染めの布は染織家であり随筆家でもあった志村ふくみさんの哲学を引き継ぐ工房 アトリエシムラさんから提供していただいたもの。生前、芝木好子さんは志村ふくみさんとも交流があり、エッセイ集『折々の旅』にも記されています。
この特装版がつくられる背景には点と点がいくつも重なり合い生まれた運命的な物語がありました。時空を超えてこの本に関わる全ての人の想いがベストなタイミングで集合し、つくられるべくしてつくられた本といってもいいくらいです。

ここに書くには長くなり過ぎてしまうくらい濃密な物語が含まれた「芝木好子小説集 新しい日々」ぜひ、この機会に通常版、または特装版を手にとって読んでいただければ幸いです。(特装版は受注生産となっております。10月10日受付締め切り)

http://kisuiiki.com/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001184.000018760.html